毎度、お世話になっております。
9月も後半に入りました。
ついこの間まで8月だったのですが、早いもので9月も終わりに近づいております。
台湾国防部は9/21、20日午前6時~21日午前6時の間に、台湾周辺の空海域で中国軍機延べ20機、艦艇7隻が活動したと発表しました。
うち軍機10機が、台湾と中国の事実上の停戦ラインとされる「中間線」やその延長線を越え、
台湾の北部と南西の防空識別圏(ADIZ)に侵入したのを確認したとのことです。
そこで、国防部の異例であった名指しでの発表の意図や、協力的な態度を示しているアメリカの動向などについてお伝えしていきたいと思います。
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台湾国防部が中国軍部隊を名指しで
「動向を監視」と発表した意図は何か!?
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9/20-21にかけて、のべ20機を超える中国軍機が台湾周辺の空域で活動し、一部は台湾海峡の「中間線」を越えるなどしました。
この「中間線」とは、中国と台湾の敵対意識が最高潮に達した1954年、米国のある将官が設定したとされています。
中国はずっと中間線を戦術的な立場から事実上受け入れていましたが、2020年に中国外務省の報道官が「存在しない」と明言し、中国国防省と国務院台湾事務弁公室も同調しています。
台湾政府の安全保障計画に詳しいある高官は「中国側は圧力を高め、最終的にわれわれが中間線を放棄するのを望んでいる。彼らは、中間線放棄を既成事実化したいのだ」と述べています。
中国の動きを受け、台湾国防部は21日夜、中国軍の福建省の地上部隊を名指しして「動向を監視している」と発表しました。
台湾国防部は、毎朝ほぼ決まった時間に、直近の24時間に確認した中国軍の航空機や艦艇の数を発表するほか、
台湾に接近する軍用機が多いなど特異な動きが見られた場合は臨時に発表しています。
ただ、今回のように中国軍の地上部隊が配置されている場所を名指しして警戒を示すのは異例だそうです。
このような異例な発表は、台湾側が把握している情報をあえて開示して中国軍の動きを抑止する狙いがあるといった見方が出ています。
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台湾国防部が異例の発表 中国軍部隊を名指しで「動向を監視」
参考:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230922/k10014203241000.html
中国が狙う台湾中間線「無実化」、注目される米国の対応
参考:https://jp.reuters.com/article/china-taiwan-median-idJPKBN2PW067
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今回の異例発表は中国側の増加するプレッシャーへの、台湾側のカウンター情報のように思えます。
部隊の配置や戦闘機の数を明確に特定していることで、十分に中国への抑止力になるはずです。
(どこかの国のように「遺憾」とだけ言うより意味があるかなとは思います)
近頃、徐々に中国の軍事行動が過激になっているようにも感じます。
そのような中、アメリカはエスカレートしていく可能性がある中国の圧力に対し、冷静な見方を示してます。
次のトピックでは、そちらについてお伝えしてきたいと思います。
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中国の台湾周辺海上や上空封鎖は失敗に終わる!?
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アメリカ国防総省の高官は、台湾への軍事的な圧力を強める中国軍が台湾周辺の海上や上空を封鎖した場合でも、
台湾には国際社会と連携して物資の輸送を確保する方法があり、失敗するとの見方を示す。
アメリカ国防総省でインド太平洋地域を担当するラトナー国防次官補は19日、台湾との防衛上の協力に関する議会下院の公聴会に出席。
この中でラトナー次官補は、台湾への軍事的な圧力を強める中国軍が、台湾周辺の海上や上空を封鎖した場合について、
「われわれの分析に基づけば、台湾には、国際社会などと連携し、産業資源や原材料、エネルギーなどの輸送を確保する方法があるため、うまくいかないだろう」と述べました。
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米国防総省 “中国が台湾周辺海上や上空封鎖しても失敗する”
参考:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230920/k10014200821000.html
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今のところ、中国の行動や圧力に対し、カウンターアクションとして適宜アメリカ側が意見する姿勢はとても良いと思います。
見方を示すだけでも。台湾独自での発表より圧倒的な抑止力になるはずです。
さて、いかがでしたでしょうか?
それでは本日はここまで