毎度、お世話になっております。
クラウンライン台湾の岡和田です。
今回も忙しくする日本人の皆様へ、台湾・日本に関連したニュースや、海外引越にかかわる情報をご紹介させていただければと思います。
よろしければ、ご一読していただけましたら幸いでございます。
最近、ニュースや飲食店などで「大豆」や「植物性」の代替肉を使った商品をよく見かけます。
そんな中、台中市の弘光科技大学は8/15に、菌類由来の代替タンパク質「マイコプロテイン」を使った食パンやアイスクリーム、人工肉などの食品開発に成功したと発表しました。
マイコプロテインとは、原料となる糸状菌をビールやパンを作るときと同じような発酵プロセスを用いて、製造しているそうです。
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「マイコプロテイン」を使った食パンやアイスクリーム開発 台湾の大学
▼参考: https://japan.focustaiwan.tw/photos/202308155001
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「マイコプロテイン」という聞きなれない名前ですが、実は古くから存在しています。
1980年代にイギリスのクォーン社が開発しましたが、当初は特許をもつクォーン社が独占していました。
しかし、特許の期限が切れた現在、多くの企業がマイコプロテインの研究・開発を進めているというわけです。
以前の弊社のメルマガでは代替タンパク質として昆虫食について触れましたが、
それ以外にも様々な種類があるようです。
今回のメルマガでは、様々な代替タンパク質に関して調べてみました。
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様々な試みで生まれる
新たな代替タンパク質
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代替タンパク質とは、食肉や魚など従来のタンパク質に代わる新たなタンパク質のことを言います。
中でも今の代替タンパク質は「肉ではないものから肉のようなものを作る」ことが主流になっているようです。
代替タンパク質が「代替肉」と呼ばれることがあるのもそのためです。
各企業、研究機関がこぞって開発を進める代替肉ですが、
下記の様に実に様々な方法で製造されています。
①植物肉(大豆)
大豆やエンドウ豆など、植物由来の原料から作られる代替肉。
我々にとっても最も馴染みがあるのではないでしょうか?
特徴は…
・タンパク質含有量が、米や小麦の4〜6倍、同量の豚肉(水分を除く)をしのぐ
・アミノ酸スコアが植物では唯一、肉と同等
・肉に多いコレステロールは大豆ではほぼゼロ
②培養肉
実際の動物から生きている細胞を採取し、専用の培養液の中で細胞を増殖させ、実際の肉そのものを再現させます。
特徴は…
・本物の肉と同じ食感や味、成分を再現できる
・短期間(数週間〜1か月ほど)で生産できる
・清潔な環境下で生産し、屠畜を行わない
課題は価格で、かつてはハンバーガー用のパテ1枚に3,000万円のコストがかかりましたが、現在では12ユーロ(約1,700円)まで価格が下がっています。(それでも高い…)
③昆虫ベース
動物性タンパク質の理想的な代替食品として期待されているのが昆虫食です。
特徴は…
・養殖に必要な飼料がとても少ない
・栄養価が高く効率が良い:特にコオロギは栄養価に優れ、養殖がしやすい
・成長がとても早い
しかし、昆虫食は見た目に対する心理的抵抗感が強いため、粉末状での利用が多くなるのがデメリットと言えます。
④微生物・菌利用
冒頭で紹介させていただいたマイコプロテインと呼ばれる、菌糸から生育した微生物由来のタンパク質がその筆頭です。
特徴は…
・赤身の肉に似た食感
・全卵と同程度の豊富なタンパク質含有量(45~65%)
・必須アミノ酸やビタミン類を含み、栄養学的に優れる
・生育スピードが速く、1週間ほどで食料にできる
⑤その他
その他の代替タンパク質の原料としては…
・スピルリナやクロレラなどの藻類による代替肉
・微生物を利用して空気中の二酸化炭素から生成される代替肉
などがあります。
中でもスピルリナは理想的な素材として注目を集め、植物性のエビ、カニ、マグロ、サーモンなどの開発が進められています。
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代替タンパク質とは?メリット・デメリット(問題点)、市場の現状も
▼参考: https://spaceshipearth.jp/alternative-protein/
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価格面や味などの問題で、中々一般的に浸透するまでまだ時間がかかりそうですね。
私ならと考えたときに「本物の肉より安く、栄養価も高く、より健康的です」と言われれば食べるかもしれません。
いかがでしたでしょうか?
それでは本日はここまで