毎度、お世話になっております。
今回も忙しくする日本人の皆様へ、台湾・日本に関連したニュースや、海外引越にかかわる情報をご紹介いたします。
よろしければ、ご一読していただけましたら幸いでございます。
日本は世界一の超高齢社会となっていますが、台湾や中国でも同じような問題を抱えています。
定義として、65歳以上の人口が全人口に対して7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれます(日本は高齢化率28.4%)
よく「日本はこれから高齢化社会を迎える世界各国に対して、高齢社会先進国としてリーダーシップを取れる位置にあり、海外市場において可能性がある」などど言われています。
果たしてそれは本当でしょうか?
現在、コロナ禍・物価高・人材不足などにより、日本の介護業界は厳しい状況に立たされています。
現に、中国にもいくつかの日系介護企業が2010年から進出していますが、事業の見直しや撤退が続いていという噂を耳にします。
また、成功している日系企業はほとんどないと指摘する記事も見受けられます。
そこで今回のメルマガでは、台湾・日本・中国の介護業界について深堀してみました。
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台湾・中国は訪問・通所介護が主流
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まず、台湾と中国の高齢者の割合と、介護に対する認識について調べてみました。
現在、台湾の65歳以上の高齢者人口は約420万人で人口率18%(2023年時点)
家族が介護を担ってきた台湾では、高齢者の施設入居に強い拒否感があるため、在宅高齢者が多い傾向があります。
また、女性の社会進出や核家族化により、外国人移住労働者(外籍移工)への依存が高いです。
これは約30年前からすでに始まっており、一般家庭での外国人労働者の住み込みが一般的となっています。
また中国の65歳以上の高齢者人口は約2億人で割合は15%(2022年時点)
さらに中国も台湾と同様、親孝行文化による在宅扶養が定着しており、介護施設の入居率が低いという特徴があるようです。
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高齢化が加速する中国、「シニア先進国」の日本企業は成功できるか
参考: https://www.chaitopi.com/2023/05/25/3598/
台湾では「日本はライバル」と聞くけど…外国人“介護人材”の獲得競争は日本のボロ負けだ
参考:https://diamond.jp/articles/-/332647
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確かに、台湾の街中では高齢者の車椅子を押すインドネシア・フィリピン系の外国人労働者をよく見かけます。
また、儒教文化の影響を強く受けている台湾と中国では、家族の繋がりを日本よりも大切にしています。
そのため、年老いた親を施設に入居させることに抵抗感があることも頷けます。
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中国で苦戦する日本の介護会社
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日系介護会社は、2010年から介護市場の需要増が見込まれる中国に相次いで参入し、2020年までに少なくとも11社が中国進出していますが、成功しているとまでは言えない現状です。
下記に、いくつかの企業の状況を紹介したいと思います
▼ニチイ学館
2012年に中国で事業を開始し、生活支援、人材育成、健康商品販売などを実施。
しかし、2019年に不採算の合弁会社を整理するなど、体制の見直しをすると同時に中国事業の再編を行い、香港、上海、広州の子会社3社解散している。
▼リエイ
2012年に北京で小規模多機能型施設の運営を開始。その後も中国での事業に注力し、上海、成都、南通に3施設を開設。その後、2017年北京にある施設を閉鎖
▼Wisnet
現地政府と連携し、3軒の老人ホームを建設
しかし、上記の状況を鑑みることもなく、日系企業の中国市場進出は止まる様子はありません。
パナソニックは2022年に現地企業と連携し、江蘇省で老人施設の運営を開始しました。
シニア向けのスマート家電を提供し、上海や北京、蘇州などからの富裕層を集め、入居率は50%に達しているそうです。
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高齢化が加速する中国、「シニア先進国」の日本企業は成功できるか
参考: https://www.chaitopi.com/2023/05/25/3598/
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台湾・中国に進出している日系介護企業は介護施設を作るのが多いようです。
しかし、それらを利用できるのは一部の富裕層のみと言われています。
先にお伝えしたように、儒教文化の影響から家族の施設入居に強い抵抗感があるとなれば、ビジネスとして成功させることがさらに難しくなることが分かります。
さらに中国では、格安スマートフォンの普及もあり、コロナ禍では高齢者も感染リスクを示す健康コード活用をデジタルで行いました。
そして、それらが追い風となって、現在中国ではデジタル機器やサービスの活用に前向きなシニアが爆発的に増えています。
今後、益々スマホを使いこなす高齢者が増えれば、シニアでも簡単にスマホ操作1つで、高齢者用の食事や、買い物、掃除、身の回りの世話など全て手配できるはずです。
そのようになれば、家族が高額な料金を支払って、親に介護施設へ入ってもらうという介護の形は、中々浸透しないように思えます。
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高齢化で注目を集める意外な「シニアビジネス」
参考: https://toyokeizai.net/articles/-/709356
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いかがでしたでしょうか?
それでは本日はここまで