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有事にもろい台湾ネット環境2023.06.19

 

毎度、お世話になっております。

クラウンライン台湾の岡和田です。

 

今回も忙しくする日本人の皆様へ、台湾・日本に関連したニュースを、

少しだけ深堀して皆様にお届けいたします。

よろしければ、ご一読していただけましたら幸いでございます。

 

さて私事にはなりますが、台湾のデジタル発展部長オードリー・タン氏のニュースがあるとつい注目してしまいます。

 

6/11の記事によると、そのタン氏が英国に今週訪問し「ロンドン・テック・ウィーク」に参加するそうです。また、デジタルガバナンスとデジタル産業協力に関連する問題について英国政府らと意見交換する見通しだそうです。

 

台湾は中国から攻撃を受けた場合の通信維持計画を検討しており、中・低軌道衛星を使ったインターネットサービスの整備に国を挙げて取り組んでいます。

 

今回の英国訪問では、低軌道衛星を手掛ける英衛星通信企業ワンウェブも訪問予定で、台湾の通信強靭性計画の強化を期待しているそう。

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台湾デジタル発展相が今週訪英、関係省庁や衛星通信企業訪問へ(23/6/12)

▼参考: https://www.reuters.com/article/taiwan-britain-idJPKBN2XY06C

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インターネットは私たちの生活や経済活動に欠かせませんが、もし突然使用できなくなったらと思うと「ゾッ」としてしまいます。

 

今回のメルマガでは、台湾が早急に整備を進めている衛星回線について深堀してみました。

 

 

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有事にもろい台湾ネット環境

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台湾でインターネットを使えるのは、14本の海底ケーブルが台湾各地と繋がっているからだと知っていましたか?

 

現在、私たちにとってインターネット環境は空気と同じように「あって当然のもの」として社会生活に浸透しています。

 

しかしながら今年2月、台湾が実効支配する馬祖列島で、海底インターネットケーブル2本が中国国旗を掲げた船によって切断され(事故か故意かは不明)、デジタル通信が遮断されました。

 

台湾にはケーブル修復船が乏しいため、馬祖住民のネット接続が完全復旧するのに、

1か月以上ネットに繋がりにくい状態が続いたそうです。

 

安全保障問題に詳しい台湾政府高官の1人は、海底ケーブルのもろさはずっと前から指摘していました。

 

これまで根本的な解決策が打ち出されなかったのは本当に愚かだと憤り「独力で海底ケーブルの修理もできない」と自嘲したそうです。

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有事にもろい台湾ネット環境 衛星回線の容量は海底ケーブルのわずか0.02%

▼参考: https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/03/002_2.php
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上記のようなわかりやすい事故?があると、確かに自分たちの置かれている状況が明確になりますよね。

 

数年前から台湾も独自の人工衛星開発に成功したりと、衛星回線構築の準備は進めていたようですが、その動きが急に慌ただしくなってきたようです。

 

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2024
年末までに衛星回線の構築は難しい?

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Bloombergの記事によれば、オードリー・タン氏が望む衛星回線の構築を、2024年終盤まで完了することは厳しい目標だと言われています。

 

こうした計画を受け台湾政府は、実証実験・検証に参加する研究機関向けの入札を開始しています。

タン氏によれば、今のところ応札者は少なくとも3者で、落札後、通信衛星企業と作業を実施するそうです。

 

通信衛星企業としてはルクセンブルクのSESグローバルが現在、台湾に2台の受信機を設置しているとのこと。

 

タン氏によると、英政府やインドの複合企業ブハルティ・グローバルや、ソフトバンクグループなどが出資する通信衛星企業ワンウェブなどが関心を示唆しているが、現時点ではまだ利用できないようです。

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台湾、ネットや電話遮断に備え急ぐ-来年末めどに緊急時対応図る

▼参考: https://news.yahoo.co.jp/articles/44161085297e39c737056a63b65a32e42382ddc5?page=1
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個人的に「台湾有事が起きて戦争が起きる」なんてことはあまり現実的でないと、

安心しきっていたのですが、「台湾のネット環境を物理的に遮断して孤立させる」というのは非常にリアリティを感じて恐ろしく感じてしまいました。

 

同じ島国である日本にも同じリスクが潜んでいるのかなと思います。

 

 

 

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楽天モバイルの世界初の試み?

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ウクライナ侵攻後、実業家イーロン・マスク氏が率いるスペースXの衛星通信サービス「スターリンク」はその利便性を世界中に知らしめましたが、日本でも新たな試みが行われました。

 

楽天モバイルと米ASTは、4/21に世界で初めて低軌道衛星によるモバイル・ブロードバンド通信を使用した、市販スマートフォン同士のエンドツーエンドでの音声通話試験に成功しました。

 

楽天モバイルは、これまで難しかった山岳地帯や離島などへ通信サービスの提供できるほか、

大規模災害発生した場合にも、被災地へ通信サービスを提供できるので、自然災害の多い日本における通信インフラ強化に貢献できると語っています。

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楽天モバイルと米AST 世界初となる低軌道衛星と市販スマートフォンの直接通信試験による音声通話に成功

▼参考: https://corp.mobile.rakuten.co.jp/news/press/2023/0426_01/
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さて、いかがでしたでしょうか?

 

それでは本日はここまで

 

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