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新型コロナが5類に変更されたら何が変わるのか?2023.02.03

皆様、旧正月期間はゆっくりお休みになれましたでしょうか?

早くも2月になりましたが、本日も普段忙しい赴任者のために少しでも役に立つニュースや情報をご紹介させていただきます。

さて、日本政府は新型コロナの感染症法上の位置づけを、5/8に季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行する方針を正式に決めました。

街の声では歓迎する方もいれば、不安に感じている方もいるように思えます。
そこで今回は5類に変更になった際にどんな変化があるのか?などを深堀したいと思います。

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“5類”移行で変化することとは?
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まず感染症法上の位置づけが、現在の“2類”から”5類“に変更されると下記のようになります。

”5類“移行で…
<行動制限など>⇒できない

※緊急事態宣言、入院勧告・指示、感染者や濃厚接触者の外出自粛要請などが出来なくなります。

<医療機関>⇒幅広い医療機関で対応できるよう、段階的に移行する方針

<医療費の公費負担>⇒当面は引き続き公費負担

<感染者報告>⇒定点報告でOK
※これまで医療機関や保健所に対して全数報告を求めていたが、「5類」では原則、基幹病院からの定点報告に変更される

<マスク着用>⇒屋内マスク推奨から、屋内外ともに個人の判断に

<ワクチン>⇒必要な接種あれば引き続き自己負担なし

<大声を伴うイベント>⇒対策を行えば100%収容OK

<水際対策>⇒ワクチン証明書や陰性証明書の提出措置が取れなくなる

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▼参考:コロナ「5類」でどうなる?なぜ5月8日?懸念は?
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/category5/detail/detail_08.html
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私もそうですが、大部分の人にとって今回の“5類”移行は賛成という方が多いように感じます。

ただし、医療関係者や高齢者やその施設関係者など、コロナやその患者に今なお向き合っている方々にとっては、反対という方もいるかもしれません。

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政府専門家の懸念事項とは?
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さて、こう言った変化が起こる中で、予想される懸念事項とは何なんでしょうか?

厚生労働省の専門家会合メンバーらは下記のように指摘しています。

▼患者が増加したときに行政による入院調整が行われず地域を越えた調整も難しくなること。

▼治療費が公費で負担されなくなり、感染者が検査や治療を受けない、受けられない可能性があること。

▼都道府県知事が行っていた感染対策の呼びかけの法的根拠が失われることで、「新型コロナは終わった」とみなされ必要な感染対策が行われなくなる可能性があること。

▼対策本部が廃止されることで、感染力や病原性が著しく上がった新たな変異ウイルスが現れた場合に迅速な措置ができなくなる可能性があること。

▼ワクチンに関する対策が縮小される可能性があり、接種の際に自己負担が発生すれば接種率が低下する可能性があること。

上記の指摘には、色々と疑問に思う点がかなりあるので、違和感を感じるのは私だけでしょうか?

上記はどれも初期の新型コロナを想定したような懸念事項で、現在の重症化しにくい/症状が軽いコロナ株である限り、少し心配しすぎな気がします。

また政府分科会の尾身茂会長は1/24、NHKの番組の中で下記のように述べていました。

「『感染を許容する』というのは『一定の死亡者を許容するかどうか』という議論とつながる。

 

諸外国の例を見ても、対策を急激に緩和してしまうと死亡者が急激に発生することがわかっている。

 

医学の領域を超えて価値観の問題で、医療関係者か経済の人なのか、高齢者か若い人なのかでも見る景色が違ってくる。

 

5類の議論は価値観の問題を議論することで少しずつ国民的なコンセンサスを作っていくことが必要だと思う」

これに関しては私も同感でした。

5類への移行で様々な意見や懸念がありますが、一番大切なことはきちんと丁寧に議論して、慌てずに(しかし迅速に)進めることだと思います。(急激な社会変化は某国のようになりますから…)

また人ぞれぞれの置かれた立場や状況・年齢・場所・タイミングで、マスク問題や医療費負担問題など変わると思うので、とにかく柔軟でそれぞれの立場の人を尊重した施策・ルール作りを政府並びに地方自治体には期待したいです。

 

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現場の医師からの懸念
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厚労省関係の専門家ですと、ポジショントークになってしますので、現場の最前線で奮闘している医療関係者の意見も集めてみました。

 

こちらの方が、色々と現実が見えてきて考えさせられます。

【5類移行に賛成】
▽5類に下げても、マスク着用を励行し感染状況や動向を見守るべき。(開業医)

▽5類にしてもコロナウイルスが変化するわけではないので、医療機関としてはほぼ何も変わらない。保健所と役所が楽になるだけ。(開業医)

▽いずれは絶対に5類になるが、段階的にやらないと混乱するだろう。いまコロナを診ていない病院がインセンティブなしに診察をするとは思えない。診ないところはいつまでも診ないはず。(勤務医)

【5類移行に反対】
▽政治判断での決定はやめて欲しい。毎日多くの感染者が出ており、病院の体制は逼迫している。まだまだ死亡する患者も多く、対応に苦慮している。(勤務医)

▽5類になっても医療機関の対応は同じで、かえって負担が増す。(勤務医)

▽今までのインフルエンザ診療のみのクリニックはコロナ患者さんに対応できない。そちらの設備投資への補助が先。また、病院への補助がなくなったらコロナ患者さんを診なくなる民間病院が増えます。(勤務医)

▽救急の医師をしていますが、発熱があれば受診不可という病院が多い。新型コロナを5類にしても病原性は変わらず、加えて発熱者は受診不可でも経営が成り立っている病院はその方針を変えないと思うので、感染者が増えたうえで今頑張っている病院に負荷が増えるだけだと思う。(勤務医)

▽5類か2類かにこだわらない、新たなカテゴリがいいと思う。(勤務医)

【マスク着用について】
▽高齢者で基礎疾患の死亡率がインフルエンザ並みにならない限り、屋内や屋外でも密になる機会があるところはマスク着用すべき。マスク不要というならば、そのデータを見せるべき。(開業医)

▽「マスクは不要!」とマスク着用者に対してマスクを外すように圧力をかける人がいなければ良いが…。(勤務医)

【その他】
▽今までもインフルエンザの院内感染や、老健施設内感染でニュース報道になり非難されていました。

今後コロナも院内感染で死者が出れば、非難報道が繰り返されることと思います。

インフルエンザより感染しやすいコロナの、今後の院内感染対策をどの程度緩めるか、どこまですれば非難されず、仕方ないと許されるのか、その基準がなければ単純に普通の風邪扱いはできないと思います。(開業医)

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▼参考:新型コロナ「5類」移行、医師74%が賛成
https://www.m3.com/news/open/iryoishin/1113276
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今回の5類移行に関して、人ぞれぞれの立場や状況によって様々な意見が出ており、医療関係者の中でも、それぞれのトピックに関して賛成・反対など意見が分かれています。

こうなると、各家庭や各企業・自治体・学校・施設…etcそれぞれで今後のコロナ対策に関して妥協点を見つけだすことが必要なのかなと思います。

「お互いの世代や立場を超えて、忌憚なく意見を出し合って議論して妥協点を見つける」なんて、聞こえはいいかもしれませんが、日本人が一番苦手なことのように私は感じます…。

コロナ禍で日本の社会は様々な変化を強制されましたが、これからのアフターコロナでも同じように、さらに日本社会が変化するかもしれません。

 

 

さて、いかがでしたでしょうか?
それでは本日はここまで

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