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ゼロコロナ政策解除で混乱する中国2022.12.16

 

皆様、毎度お世話になっております。

今週も忙しい駐在員の方のために、気になった話題を深堀してお伝えできればと思います。

 

 

さて、中国では今まで頑なに進めてきた「ゼロコロナ」政策を解除して、政策を180度転換しましたね。

 

その影響もあってか、中国国内では早くも「解熱剤」の売り切れが始まっているようです。

さらに、パルスオキシメーターや抗原検査キットも中国では品切れが続いているとのこと。

 

あるいはSARSや新型インフルエンザであったような、「お酢で殺菌」「ヤクルトに予防効果」「ニンニクを口に含んでおけば予防できる」といったデマが引き起こす特定商品の品切れや価格高騰もありうると、ジャーナリストの高口氏が指摘しています。

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▼参考:中国人が「パブロンゴールド」を買い占める…中国のコロナ政策の転換で、日本の風邪薬が売り切れるナゾ

https://news.yahoo.co.jp/articles/0fdfcd950aefdccb147ab5d1b2d65bc6796cb04b
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さて、今週はゼロコロナ政策の解除に踏み切った中国の国内の影響と、専門家による今後の予測シナリオをお伝えしたいと思います。

 

 

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WHOも心配する中国の政策転換

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中国が「ゼロコロナ」政策の解除を進める中、世界保健機関(WHO)は中国が今後「困難な時期」に直面するとの懸念を示しています。

 

12/13にWHOのハリス報道官は、

「非常に厳格な管理体制からの脱却はどの国にとっても非常に難しい。

国民のワクチン接種を確実にし、病院の受け入れ態勢を整えることが課題」と指摘。

 

また「移行を維持するためには、地域社会や病院、国家レベルで多くの措置を講じる必要がある」とも述べました。

 

中国当局が発表するコロナ感染者数はここ数週間減少傾向にありますが、

検査数も同時に減少しており、当局発表のデータは実際の感染状況を反映していないとの指摘がされています。

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▼参考: 中国の拙速なゼロコロナ解除にWHO懸念、医療逼迫に警戒も

https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-china-idJPKBN2SY0AT
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中国現地記者が語る現在の状況と今後の懸念

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ANN中国総局の熱田氏は12月初旬にコロナ検査キットを使用して陽性と判明しました。

 

熱田氏は3年間コロナ禍の中国で過ごしてきたが、これまで日本人の知人が感染した話はほとんど聞かなかったそう。

しかし、ここわずか1週間でその人数は10人を超え、他にも陽性ではないが発熱などの症状が出た人も多数出ているそう。

 

これは中国政府が発表する感染者数データには表れない感染拡大が、知らず知らずのうちに広がっている可能性を示唆しているように思えます。

 

続けて熱田氏は、個々人がもつ感染対策への知識不足が感染拡大を招くとも指摘します。

「日本に暮らす人達は、コロナに対する報道量も多く、科学的な知識を持ったうえで、主体的に身を守りながら行動している人が、多いように感じます。

 

しかし、ゼロコロナ政策に慣れた中国の人達はコロナの特徴を科学的に分析し「正しく恐れる」報道に触れる機会があまりない。

ウイルスに対する正しい知識を持つ人が、日本よりは少ないように感じる。

 

そのような人達が説明の無いまま、ゼロコロナ政策の急転換で政府から「自由にしていいよ」とお墨付きを得た場合、

あまり感染対策を取らずに街に出かけていき、市中感染が広がる可能性は、相当あるのではないだろうか?」

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▼参考: 感染急拡大中?北京で陽性になって分かった「ゼロコロナ放棄の中国」で起きていること

https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000279809.html
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今まで中国は新型コロナに苦しめられたというより、政府のコロナ対策に苦しめられてきたと思います。

 

今回、コロナ対策が大幅に解除されて前進したと思ったのですが、

これから更なる混乱が生まれると考えると、そこに住む中国国民が不憫に思えてなりません。

 

 

 

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中国で起こりうる感染拡大のシナリオ

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元中国疾病対策予防センター副主任のフォン・ツーチエンは、これから起きる感染拡大で、人口の60%が感染すると推測しているという。

※14億x0.6=8.4億人

 

加えて、中国は先進国と比べて人口当たりの集中治療室の病床が少ない上に、感染拡大で医療施設は大幅な人手不足に陥る恐れがあります。

 

アメリカのニュース誌「フォーリンポリシー」のジェームス氏によると、

中国の今後のシナリオは、うまくいけばベトナム、悪ければ香港と同じ道をたどる可能性があると指摘します。

 

ベトナムは昨年2021年、同じように厳格なコロナ対策を撤廃したが、その後の感染拡大による死亡率は比較的低く推移しました。

これに対して香港は封じ込めに失敗し、今年3月に世界一の死亡率を記録しました。

 

続けてジェームス氏は下記のような流れを予想しています。

 

① 今後はしばらく中国の新型コロナ感染者は急増し、老人ホームで多くの死者が出る。

② 少なくとも1つの大都市は香港並みの危機に見舞われ、ロックダウンが実施される。

③ メディアはこの危機を伝えないが、ネットで画像が広がり、中国指導部の信頼性は再び低下する。

④ 2023年の夏には、エンデミック(局地的流行)となる。

⑤ 2024年には孤立した農村部で感染が大幅に広がり、都市部よりも著しく低い医療体制のために、壊滅的な被害がもたらされる。

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▼参考: 中国「ゼロコロナ」に終止符──壊滅的な被害へのシナリオ

https://news.yahoo.co.jp/articles/77fd2c91cddef3cc0b28489e7c51cf3c1ad35b11
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現在、多くの国で入国規制は緩和されています。

このまま中国で感染爆発が起こり、来年の旧正月で感染者や無症状者が一斉に世界中に拡散され、新たな変異ウイルスが誕生。なんてことが起こらないことを祈ります…。

 

 

さて、いかがでしたでしょうか?

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