毎度、お世話になっております。
クラウンラインの岡和田です。
先日の台湾東部の地震ではかなり被害が大きかったようですが、
その後も余震も頻繁に発生しており、不安な毎日を過ごされた方も多いかと思います。
この場をお借りして被害にあわれた方々に対して心よりお見舞い申し上げます。
さて、今回のメルマガでは日本ではあまりニュースになっていませんが、
台湾で発足したデジタル発展省に関して深堀したいと思います。
-------【目次】------------------
1.デジタル経済市場をさらに飛躍させる台湾と、追随する日本
2.「DX」に対する誤解
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日本では21年の9月にデジタル庁が発足しましたが、台湾の蔡英文総統は8/27、デジタル経済の発展や情報セキュリティー強化を担う「デジタル発展部(省)」を発足させました。
初代トップには、政務委員(無任所閣僚)として蔡政権のデジタル政策を推進してきたオードリー・タン氏が就任。
今後は政府の関連部門と協力し、情報・電気通信・インターネットなど主要分野を統合して官民のデジタル技術活用を推進しています。
またデジタル環境インフラを整備・強化し、企業のDX促進が将来の経済成長のカギとなると蔡政権は期待しています。
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▼参考: デジタル発展省が発足=トップはオードリー・タン氏
https://www.afpbb.com/articles/-/3420974?cx_part=search
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┏◆≪デジタル競争力 世界11位の台湾と27位の日本≫
┃ 1.デジタル経済市場をさらに飛躍させる台湾と、追随する日本
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2016年発足の蔡政権は2017~2025年を対象として、デジタル化投資を加速させました。
2018年には「AI行動計画」を打ち出し、人材育成やエコシステム形成のための施策を次々と打ち出しています。
台湾のデジタル経済市場規は、2025年には6.5兆台湾ドル(約26兆円)と、2019年比で4割程度拡大する見通しを台湾政府は発表しています。
国際経営開発研究所(IMD)の2020年世界デジタル競争力ランキングでも11位と、27位の日本を引き離しています。
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▼参考: 台湾のデジタル化と今後の日台連携
https://www.mri.co.jp/knowledge/mreview/202110-1.html
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現在、台湾は半導体製造で堅調な経済成長を維持していますが、半導体の供給不足が解消され、製造コストが安い中国が半導体に本腰を入れれば、その地位を脅かされる可能性があると言われています。
地位を脅かされてから動くのではなく、先手先手の施策を打つ台湾の政策は、国をけん引するリーダーシップを遺憾なく発揮しているように思えます。
一方、後手後手の日本も台湾と半導体事業で大規模工場を熊本に誘致し手を組んでいます。
今後も協力し合って日本の経済復興の一旦を担ってほしいと願います。
┏◆ ≪IT化とDXの違い≫
┃ 2.「DX」に対する誤解
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昨今、巷では「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉をよく耳にするようになりました。
しかしながら、デジタル発展省トップのオードリー氏いわく、「IT化」で満足している企業が多く、DXとは「データの活用による顧客体験の向上」が本筋だと指摘します。
例えば…
―手作業をタブレットに変えたら、新しいシステムを導入したら業務効率が良くなった
⇒これは「DX」ではなく「IT化」
―手作業をタブレットに替え業務効率が良くなり、さらに集約したデータを使ってお客様へのサービス向上を図る
⇒これが「DX」の1つの例となります
さらにオードリー氏は「DXとはアイデアの数だけ存在するものであり、物理的に何かを刷新するという行為ではなく、各社が考えて行動するということでもある」と指摘します。
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▼参考: オードリー・タン氏が「わたしはIT担当大臣ではない」と語った理由とは?
https://souken.shikigaku.jp/6118/
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私も「DX」という言葉は知っていましたが、確かにその意味が良くわかっていなかったと思います。
なぜなら「DXって具体的になんですか?」という答えには、各組織の課題に対して答えがあるので実質「無限にある」となるからです。
日本は良く目的と手段が混同され、手段が目的になってしまう事がしばしばございます。
そうならないためにも、デジタル庁の新大臣である河野さん! 期待しています。