毎度、お世話になっております。
クラウンラインの岡和田です。
今回も勝手ながら忙しい駐在員様の為に、
時事ニュースを掘り下げてお伝えさせていただければと思います。
皆様ご存じの通り、現在パキスタンではモンスーン期の豪雨と大規模な洪水によって、
国土の3分の1が冠水したことが明らかになりました。
死者はこれまでに1100人を超え、
子ども380人が含まれると言われています。
被害に遭われ今も困難に直面している方々へ
心よりお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方々へ深く哀悼の意を表します。
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▼参考: パキスタンの「洪水」ここまで深刻にした真犯人
https://toyokeizai.net/articles/-/614903
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さて、今回のメルマガは、日々緊張高まりつつある
台湾情勢についてのお送りしていきたいと思います。
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緊張高まる台湾情勢!
直近の動向を振り返る
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8月にペロシ米下院議長の訪台に反発して、中国は台湾周辺で軍事演習を実施。
また台湾国防部の資料によると、ペロシ議長の台湾訪問直後の8/3から29までの間に
中国の無人機が台湾領空で発見された回数は22回にのぼるとのこと。
最近、中国のソーシャルメディアにはこのドローンが撮った動画が2本公開され、
それは、台湾軍人の顔が鮮明に見えるほど近接撮影が行われました。
さらに9/1、台湾陸軍は台湾が実効支配する金門島付近に飛来した所属不明のドローンを撃墜したと発表しました。
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▼参考:中国のドローン、22回も台湾偵察…米国「ニューノーマル作りの試み、容認しない」
https://news.yahoo.co.jp/articles/cf9bc6e36adbe0cbdffe2d85bce676a227df7bc1
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ペロシ下院議長の訪問から、中国の動きを見ていますと、
中国は台湾に対してじわじわとプレッシャーをかけていることがわかります。
軍人演習、防空識別圏に侵入、ドローンによる空域侵入。
何やら中国の行動が少しずつエスカレートしているように思えてなりません。
実は蔡政権の6年で防衛費は増え続けており、徐々にその負担が台湾を苦しめると拓殖大学教授の富坂氏は指摘します。
台湾の防衛予算の対前年比で異常に伸びた項目が「運用維持費」。
これは「戦闘機のスクランブル発進や台湾に接近する中国の軍艦への対応として出動する船舶の費用」のことで、領海侵犯を繰り返す中国は、台湾に莫大な費用が掛かるスクランブル発進を繰り返しさせ、台湾の現政権を疲弊させようとしているのが分かります。
さらに台湾はトランプ政権下にF16V(66機)を購入しましたが、この操縦要員を育てるには「今のペースでは50年もかかる」とも言われています。
実際に台湾空軍の事故は2020年以降だけで10回に上り、今年だけでもF16など少なくとも4機が墜落しています。
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▼参考:台湾、初の威嚇射撃も「お金がない!?」中国軍ドローンに強力な措置、蔡総統にのしかかる対抗コスト
https://news.goo.ne.jp/article/mag2/world/asia/mag2-550022.html
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これらの流れから、中国は徐々に台湾侵攻を物理的にも経済的にも進め、じわりじわりと追いつめているような印象を持ちます。
在留邦人の皆様にとっても、昨今の状況は不安に感じる方も多いかと思います。
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台湾の在留邦人の退避計画協議へ!?
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超党派の議員連盟「日華議員懇談会」古屋圭司会長(自民)が8月に訪台時に、
蔡英文政権との間で、中国の軍事侵攻に備えた邦人退避計画の策定に向けた協議開始で合意したとのこと。
有事前に民間航空機や船舶を活用した避難を想定しているとのこと。
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▼参考:台湾の邦人退避計画協議へ 蔡政権と議連、8月に合意
https://news.goo.ne.jp/article/kyodo_nor/politics/kyodo_nor-2022090101001235.html
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確かに、台湾の在留邦人は2万人以上。
台湾有事が起これば、避難がスムーズに行えるかは不明。
飛行機にはちゃんと乗れるのだろうか?
きちんと着陸できるのだろうか、などなど…
アフガニスタンにおける在留邦人の退避では、
日本政府の対応は後手後手だった記憶があります…
有事における飛行機の着陸、避難経路の確保なども、
どんどん話し合って決めていってもらいたいものです。
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台湾情勢で「戦争起きる可能性、十分考えられる」
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昨今の台湾状況を踏まえ、自民党の麻生太郎副総裁は31日、横浜市内のホテルで開いた麻生派研修会で、
台湾情勢を巡り「戦争が起きる可能性が十分に考えられる」との見解を示しました。
この中で、麻生氏は「台湾でドンパチが始まることになれば、
沖縄の与那国島などの地域も戦闘区域外とは言い切れないほどの状況になり、
戦争が起きる可能性は十分に考えられる」と指摘。
「そのうえで、抑止力は、抑止する力と何かやられれば、その力を使うという国民的な合意、
そしてその両方があることを相手の国に知らせておくという3つがなければ役に立たない。
そのことをおさえて今後の政治活動をしてほしい」と呼びかけました。
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▼参考:自民 麻生副総裁 “台湾有事に備え 抑止力の整備必要
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220831/k10013797011000.html
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長い間、戦争とは無縁と考えている私達日本人ですが、
どうやら政治的に台湾有事はもはや、対岸の火事とは言えない感じになっているようです。( ゜Д゜)
今後益々、日本も台湾侵攻を念頭に置いた準備や法整備が
着々と進まれていくのかもしれませんね…
いかがでしたでしょうか?
昨今の中国の動き、そして日本政府の対応などを見ても、
台湾有事についての意識が今までとは違うものになってきているようです。