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ペット殺処分ゼロを実現した1本の台湾映画2024.05.10

毎度、お世話になっております。
 

私の家では猫を2匹飼っているのですが、4/11は「ペットの日※」だと初めて知りました。
※2006年にアメリカで制定されたのもので、飼い主がペットに愛や感謝を伝える日だそうです
 

その「ペットの日」に台湾農業部(農産省に相当)は、今後は犬と猫のID登録制を設けると同時に、専用サイト(寵物登記管理資訊網)の設置も発表しました。
 

これによりID登録後、マイクロチップの管理・健康情報の集約・ペットの迷子情報・保護犬猫の迎え主募集・関連データ…等などまとめ、ペットにまつわるデータベースを一元化することを可能にしました。

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【台湾あれこれ】農業部、ペットの身分証明書発行 飼い主に利用呼びかけ

参考:https://japan.focustaiwan.tw/column/202404125001
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そこで今回のメルマガでは台湾のペット事情に関して深堀して皆様にお伝えしたいと思います。

よろしければ、ご一読していただけましたら幸いでございます。

 

 

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ペット殺処分ゼロを実現した1本の映画

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実は今、台湾では子供の出生率が下がるのを尻目に、ペットを飼う若者がどんどん増えているんです。
(2021年の調査によると台湾の特殊出生率は1.07で、日本よりも低い!)
 

時代の流れか、はたまたペット人口増加を受けてか、台湾は2017年にペットの殺処分ゼロにする法律改正を行いました。
実はこの法改正の裏には、ある1つの映画の影響があったと言われているんです。
 

2013年に公開された『十二夜』は、今まで目にすることのなかった公設の動物収容所に送られた犬舎に訪れる12回の夜を撮影し、収容期限である13日目を過ぎた犬たちが安楽死に向かう姿を追った内容になっています。
 

その影響は殺処分数をみると明らかで、映画上映の翌年(2014)には明らかに数字が落ち、台湾の立法院では映画のDVDを片手に「殺処分はかわいそうだ!」などと訴える委員たちも出たそうです。
 

その過酷で衝撃的な映像は、当時大きな話題を呼び、台湾のドキュメンタリー映画史上歴代2位となる、興行収入6,000万元(約2億1,000万円)の記録を叩き出しました。
 
 

年度 安楽死数 収容所内死亡数 合計

2012 55,398   20,130    75,528

2013 45,672  18,464    64,136

2014 25,057  12,653    37,710

2015 10,892  8,636     19,528

2016 7,960   6,026     13,986

 

そして2015年に台湾政府は「2年後に殺処分ゼロ」と発表。

そして映画公開から4年後の2017年、台湾政府は「殺処分ゼロ」へと法改正を行ったのです。

 

現在、法律によって殺処分を禁止したのは、アジアではインドと台湾だけだそうです。

※日本では茨城県が殺処分ゼロを目指す条例が制定されています。

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「ペット殺処分ゼロ」を掲げた台湾 契機となったドキュメンタリーの続編が問う「新しい課題」

参考:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/1e98ac1c528c9d0db615055f851e47e1d1f95944
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実はフランスでは2024年1月からペットショップでの生体販売が禁止されました。

この背景にはフランスでのペット遺棄数が多く、毎年10万匹以上の動物が捨てられていることも理由にあるそうです。

 

しかしながら、きちんとした環境・設備で生体販売をペットショップには大打撃だと思いますし、

また、この施策で捨てられるペットを減らせるかは検証が必要だとおもいます。

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